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肩が痛くて筋トレが出来ない|症例

50代男性 趣味:ベンチプレス

 1年程前から左肩を動かす時に違和感を感じるようになり、徐々に痛みが増してきた。
 

手術で30万円かかると言われた左肩の痛み

 1年程前から左肩を動かす時に違和感を感じるようになり、徐々に痛みが増してきたそうです。
 
 
現在では服を着る時や腕を後ろに回した時に激痛を感じるようになり、痛みが出た後は1分程強く重だるい痛みが続くとのこと。
 
 
朝と夕方が一番状態がよくなく、痛みを感じない動作ではほとんど痛みはないそうです。
 
 
ベンチプレスが趣味でしたが、内臓の外科手術を受け、退院して1ヶ月程してから肩が痛みはじめたため、現在はベンチプレスができていないそうです。
 
 
当院にいらっしゃる前に、別の医療機関にいかれて、画像検査を受けましたが、異常は見られなかったそうです。
 
 
エコーの検査で血管に問題があると言われ、痛みどめか、血管のカテーテル手術を提案されたそうですが、手術では30万円以上かかるとのことで、まずセカンドオピニオンとして当院にいらっしゃいました。
 
 
 

【肩の状態】

自分で肩を動かすと痛みで可動域に問題があり、他動的に動かすと比較的痛みが少ない状態でした。
 
 
肩の靭帯や筋肉の損傷は見られませんでしたので、筋肉の緊張度を調べると、肩を支える筋肉である腱盤筋の一部に異常が見られました。
 
 
一時的に問題のある筋肉を緩めてみると、肩を動かす時の痛みが軽減しました。
 
 
姿勢では背中の後方への曲がりが過剰で、肩の位置が前方に突出している、巻き肩と言われる状態でした。
 
 
背中が後方に曲がると、肩甲骨が前方に滑っていくことで、肩は相対的に前方に突出します
 


直立姿勢をして頂いた時にも、通常であれば、掌が前方から多少見えるはずなのですが、この方の場合は、手の甲が前方に向いてしまうような状態でした。
 
 

【カイロプラクティックの考察】

痛みの原因は肩を支える筋肉群である腱盤筋の「棘上筋」と「肩甲下筋」の過剰な緊張だと考えました。
 
 
棘上筋は肩を上方から支えながら腕の挙上に関与する筋肉で、肩甲下筋は肩甲骨の内側から肩に付き、肩の下方を支える筋肉です。
 
 
棘上筋は肩甲骨の上部にいる筋肉ですが、放散痛と呼ばれる筋肉の特有の痛み方で、筋肉周囲だけでなく離れた肩の外側から肘まで痛みを出すことがあります。
 
 
背中の可動域が低下し、肩が前方突出することで、これらの常時肩を支える筋肉に余計な負担をかけることで、過剰な緊張を生じていました。
 
 
トレーニングをしていた頃は、胸の筋肉と背中の筋肉のバランスが適切で、肩は正しい位置にあったと思いますが、1ヶ月程の入院期間に筋力が低下し、胸の筋肉が優勢になることで姿勢が崩れてきたのだと考えられます。
 
 
 

【施術】

肩を支える筋肉を緩めるだけでも痛みの軽減は見られますが、それでは一時的な効果しかありません。
 
 
そのため、根本的な問題である、「背中の関節の可動域」と「胸と背中の筋力バランス」の調整を行いました。
 
 
その後、肩の位置を調整するため、鎖骨や胸の筋肉を調整しました。
 
 
その後で、過剰に緊張している腱盤筋の棘上筋と肩甲下筋の筋肉のリリースを行いました。
 
 
背中の関節の位置は脳で管理されていますので、初回以降10日間で2回の調整を行い、関節の位置情報の安定をさせていきました。
 
 

2回目の施術

2回目の施術時にはそこまで、肩の痛みに変化はありませんでしたが、背中のはり感が減少したことと、直立した時に手の向きが正常になっていました。
 
 

 3回目の施術

3回目の施術時には痛みが30%まで減少しており、背中の関節の可動域も安定していました。
 
 

4回目の施術

4回目は一週間程度期間を開けてチェックを行い、5回目は2週間の期間を開けてチェックを行いました。
 
 

5回目の施術

5回目の施術時には日常生活での痛みも消失していたため、運動の再開を許可しました。
 
 

現在の状態

現在も問題なくベンチプレスもできているそうで、1ヶ月に一度のメンテナンスを行っています。
 
 
今回のケースのように、手術を選択する前にセカンドオピニオンをすることは、内臓などの手術だけでなく、整形外科の領域でも非常に重要です。
 
 
また、肩の痛みでは四十肩や腱盤損傷、筋肉の緊張など様々な原因が考えられますので、正しい判断をした上で、適切な施術を選択する必要があります。
 
 
肩の痛みでお困りの方は当院にご相談ください。
 

文責:寺﨑 翔大